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トラックドライバーは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査を

令和4年6月8日、全日本トラック協会は公式サイト上で、「ドライバーに睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査を受診させていますか?」リーフレットの令和4年版を作成したと発表しました。

本記事では、今回発表されたリーフレットの内容をもとに、SASの症状や、早期発見に欠かせない検査の概要、助成金などについて触れていきます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

SASとは、睡眠中に呼吸が止まったり、止まりかける状態を繰り返すことで、睡眠の質が落ちる病気です。トラックドライバーがSASを発症すると、日中に強い眠気や疲労感を覚え、居眠り運転や事故を起こすリスクが高まります。その他にも、SASは高血圧や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞といった合併症を引き起こす危険性もあるため、早期に発見して治療する必要があります。

なお、令和4年4月1日に「自動車事項報告等の取扱要領」が一部改正され、SASが疑われる居眠り運転や漫然運転を伴う事故が発生した場合、自動車事故報告書の「推定原因」として、その旨を記載することが定められました。「SASが疑われる」とは、過去にSASと診断されたことがあり治っていない状態や、国土交通省が策定した「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」に記載されているSASの症状のがある状態のことを指します。

検査を受けてSASの早期発見を

SASは簡単なスクリーニング検査で発見することができ、早期に適切な治療を受ければ健康な人と同じようにトラックドライバーとして働き続けることが可能です。最も危険なのは、SASでありながら、それに気づかずに運転を続けてしまうことです。リーフレットの中では、SASが疑われる症状として以下の5点を紹介しています。当てはまることがある場合は、すぐに検査を受けましょう。

  • ・大きないびきをかく
  • ・睡眠中に「呼吸が苦しそう」「呼吸が止まっている」と指摘される
  • ・息が苦しくて目が覚める
  • ・昼間に強い眠気を感じる
  • ・朝起きた時に頭痛、頭重感がある

また、上記にあげたものの他にも、原因の分からない疲労感や倦怠感が続いている場合は、SASが原因になっているかもしれません。

助成金を利用し、スクリーニング検査の受診を

国土交通省の調査によると、令和3年度の時点で、SASスクリーニング検査を従業員に受信させている事業者は33%にとどまりました。全日本トラック協会では、会員事業者に対し、ドライバー全員にSASスクリーニング検査を受信させることを推奨しているため、これは決して高い数値とはいえません。

全日本トラック協会では、検査の助成事業を実施しており、検査費用の半分に当たる額の助成を受けることができます。
詳しくは、所属している都道府県のトラック協会に確認してみましょう。

文/BUY THE WAY lnc.

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