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令和5年度における「トラック運送業界における不正改造車排除運動」
令和5年4月20日、全日本トラック協会(以下「全ト協)は令和5年度における「トラック運送業界における不正改造車排除運動」の実施要領を発表しました 。

令和3年における交通事故死者数は2,636人で、戦後最小 となりました。しかしこの2,636という数値が、単なる数値ではなく、実際に失われた人生の数であることを考えると、現在の交通安全対策は決して充分であるとはいえません。そんななか、暴走行為や過積載を目的とした不正改造車は、交通安全上をおびやかす危険な存在です。
また、不正改造車は排気ガスによる大気汚染や、騒音などのために生活環境など、安全上のリスクである以外にも多くの問題を引き起こしています。国土交通省も「多くの人が、不正改造車が社会的に排除されることを強く求めています 」と、強い言葉で非難しています。
このような状況を受け、国土交通省を中心に「不正改造車を排除する運動」は全国的に展開されています。全ト協でも各都道府県のトラック協会と連携しながら、積極的な運動を展開するとしています。
「トラック運送業界における不正改造車排除運動」の実施期間は、年間を通じての運動となります。加えて各都道府県のトラック協会が設定する1ヶ月間を強化月間とし、特に重点的な活動を行います。強化月間はそれぞれの都道府県の事情を考慮し、全国で一斉に実施する形とはなりません。
「トラック運送業界における不正改造車排除運動」のなかで、不正改造に該当する項目について解説します。排除するべき度合いに応じて「重点排除項目」と「基本排除項目」の2種類に分類されています。
▼重点排除項目重点排除項目に該当するものは以下の5つです。
- 1.タイヤおよびホイール(回転部分)の車体外へのはみ出し
- 2.灯光の色が不適切な灯火器および回転灯などの取付け、並びに保安基準上装備が義務化されている灯火器(例:側面方向指示器)の取り外し
- 3.前面ガラスならびに運転者席及び助手席の窓ガラスへの着色フィルムなどの貼付(貼付状態で可視光線透過率70%未満)
- 4.マフラーの切断や取外し、および騒音低減機構を容易に取外せるものなど、基準不適合マフラーの装着
- 5.大型貨物自動車の速度抑制装置の取外し、解除または不正な改造、変更など
基本排除項目に該当するものは以下の6つです。
- 1.直前直左の周辺状況を確認するための鏡、又はカメラ及び画像表示装置の取り外し
- 2.前面ガラスへの装飾板の装着
- 3.土砂等を運搬するダンプ車の荷台にさし枠の取付ける、およびリアバンパ(突入防止装置)の切断・取り外し
- 4.基準外のウイング(エア・スポイラ)の取り付け
- 5.シートベルト警報装置を解除する用品などの取り付け
- 6.不正な二次架装
「トラック運送業界における不正改造車排除運動」における全ト協の活動としては、「広報とらっく5月15日号」、およびホームページへの掲載による周知と、適正化事業巡回指導に際しての啓発や指導です。また全ト協は、各都道府県のトラック協会に対して、独自の取り組みを含めた実施計画の策定と、積極的な運動を求めています。
不正改造車は、交通安全を脅かすばかりか、大気汚染や生活環境の悪化も引き起こす、有害な存在です。そのため「不正改造車を排除する運動」は、国土交通省を中心に全国的に展開されています。全ト協や各都道府県のトラック協会も足並みをそろえ、通年の「トラック運送業界における不正改造車排除運動」、および各都道府県の「強化月間」を今年も実施します。もちろん一人ひとりのトラックドライバーや、一つひとつの事業所が、不正改造に手を染めることなく法律を守り、安全運転を重んじることがなにより重要です。
文/BUY THE WAY lnc.
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