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トラック事故を起こしやすいのは何歳のドライバー?2022年交通事故統計分析結果が公表
2023年8月7日、全日本トラック協会は、全日本トラック協会は「2022年の交通事故統計分析結果」【確定版(車種別)死亡・重症事故編 】」および「【確定版(車種別)死亡事故編 】」を公表しました。本記事ではこの分析結果を参考にしながら、事故を起こしやすいドライバーの特徴を紹介していきます。

まずは、トラックドライバー全体における各年齢の割合と、死亡・重症事故件数、死亡事故件数の割合をそれぞれ見ていきましょう。
年齢 | トラックドライバー全体における割合 | 死亡・重症事故件数の割合 | 死亡事故件数の割合 |
---|---|---|---|
24歳以下 | 5.0% | 3.7% | 2.4% |
25~29歳 | 5.0% | 5.4% | 5.4% |
30~34歳 | 5.5% | 6.0% | 4.2% |
35~39歳 | 8.5% | 7.7% | 6.6% |
40~44歳 | 11.6% | 9.8% | 9.6% |
45~49歳 | 17.6% | 15.3% | 17.5% |
50~54歳 | 16.1% | 17.6% | 21.1% |
55~59歳 | 11.6% | 15.9% | 14.5% |
60~64歳 | 8.0% | 11.4% | 13.9% |
65歳以上 | 9.5% | 8.3% | 4.8% |
上表のとおり、49歳頃までは、事故を起こしている割合と、トラックドライバー全体における割合に大きな違いはありません。しかし50歳を超えると、事故を起こしている割合が、トラックドライバー全体における割合を大きく上回るようになります。
50~64歳は、トラックドライバー全体のうち35.7%ですが、死亡・重症事故の44.9%、死亡事故の54.0%を起こしていました。このことから、50歳を超えたドライバーは、他の年齢層のドライバーよりも、重大な事故を多く起こしていることが分かります。
また、今後はトラックドライバー全体の中でも大きな割合を占める45~49歳のドライバーが、順次50代に差し掛かっていきます。一般的に50代になると、視力や体力、注意力、とっさの判断力など、運転に必要な様々な能力が大きく低下します。40代までの頃と同じ感覚で運転していては、思わぬ事故に繋がる恐れがあります。
ドライバーとしてキャリアを重ねてきたことによる油断も、事故の原因となり得ます。「自分は大丈夫」と油断することなく、安全運転への意識を常に持つようにしましょう。
次に、免許取得年数別の事故数を見てみましょう。
免許取得年数 | 死亡・重症事故件数の割合 | 死亡事故件数の割合 |
---|---|---|
1年未満 | 0.3% | 1.2% |
2年未満 | 0.4% | 0% |
3年未満 | 1.3% | 1.8% |
4年未満 | 1.6% | 1.2% |
5年未満 | 1.5% | 1.8% |
10年未満 | 6.7% | 5.4% |
10年以上 | 88.2% | 88.6% |
上表からは、免許取得から10年以上経っているドライバーによる事故が9割近くを占めることが分かります。豊富な経験があるからといって気を緩めることなく、適度な緊張感と高い安全意識を以って、日々の運転に臨むことが重要です。
2022年に発生した死亡・重症事故、および死亡事故について、どのようなドライバーが起こしてしまったのか、年齢別、免許取得年数別に解説しました。全日本トラック協会の調査結果によると、50歳以上、なおかつ免許取得から10年以上経っているドライバーは、事故を起こす割合が高い傾向にあります。
さらに今後は、現在トラック輸送の中心を担う40代後半のドライバーが、50代に差し掛かっていきます。50代になると体力や集中力が落ち、若い頃と同じ感覚で運転していると思わぬ事故を起こす危険があります。該当する年代のドライバーは、加齢による心身の変化にも意識を向けながら、安全運転によりいっそう取り組む必要があります。
文/BUY THE WAY lnc.
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